第77回ライブ(5/17)
「楽しく仕事をするために」〜柴田秋雄さんの『日本一幸せな従業員を作る!』映画鑑賞と対話会〜
応援出演:上村光典さん(光ちゃん)


第77回最高に場所ライブ
『楽しく仕事をするために』
 ~柴田秋雄さんの『日本一幸せな従業員をつくる!』映画鑑賞と対話会~

開催期日2015年5月17日(日)10:20−17:00
場所:日比谷図書文化館 小ホール(スタジオプラス)
事務局:くみ、あおこ、かんな、SOL
会員ゲスト:光ちゃん
参加者:25名(ML/一般参加15名、うち初参加6名)
10988441_579429998860325_2684379147555483805_n
【会場設営、受付】10:00〜10:20

10時きっかりに図書館が開場、すぐに使用手続きをして、4階スタジオプラスを開錠。
参加者の協力をいただいて、短時間で受付と会場設営が整う。

【最高の居場所のオープニング】10:20〜10:35

とうりょうとくみちゃんによる、最高の居場所のビジョンの共有。
くみちゃんの朗らかな声で場が和らぐ。
第77回、「キリがいい数字だね」と、とうりょう。
グランドルールにはもちろん全員が同意。
今回の企画の担当者のひとり、くみちゃんの体験エピソード。
「きっかけは、私がホテルアソシアに宿泊したこと。従業員が友人のようにふわっと関わってくる。これって何だろう? これを探りに3回目泊まろうとしたら、ホテル自体がなくなっていた。」

ここで、光ちゃんにバトンタッチ

【導入ワーク】10:35〜10:55

一番伝えたいことは「主語を自分にする」。
これは自己責任ということ。
輝いている人達は主語を自分に置いている。
逆に残念な人は「主語を他人にする」、これは他責ということ。
たとえば、柴田さんのような経営者の元で働きたい、うちの社長に今回の映画を観てもらいたい。これは、感想としてはアリだが、このままでは良くならない。

各自、今日の参加目的をワークシートに記入し、その後グループに分かれて、グループ単位でシェア。うなずきながら聞く参加者。命題を持って参加していることを互いに確認する。
IMG_2879
【映画鑑賞】10:55〜12:30

参加者が食い入るように映像を観ている。
時折笑い声。
メモを取りながら、真剣に視聴する参加者。
「お前たちじゃない。お前を見ているんだ!」
「働くとは生き方である」
「すべての活力の源泉は人である」
目を潤ませる参加者多数。
全員がスタッフロールまで見て、参加者から自然と拍手が湧く。
11245787_607801399356518_6351150588607618833_n
たまたま、写真の取材チームが名古屋にいて、入江富美子さんの面白いホテルがあるから行ってみようの一言がきっかけでできたのがこの映画。最初は乗り気ではなかった取材チームが、柴田さんの話に引き込まれていくのに、時間はかからなかった。

10年間黒字続きで、名古屋でホテル稼働率ナンバー1を誇るこのホテルが、名古屋駅前再開発のために閉鎖される10日前だった。何という奇遇! 取材チームは、閉鎖に至るまでを撮影することになり、映画には閉鎖当日の映像はもとより、このホテルの従業員がなぜ、このホテルが大好き、この会社で働くのが楽しいと言っているのか、それを紐解くエピソードがふんだんに盛り込まれている。

従業員をまず幸せにする。
この飽くなき信念が、従業員の家族を幸せにし、お客さんを幸せにし、仕入れ先を幸せにし、そして地域の人たちを幸せにした。

参加者の加藤史子さんから、詳細なメモをいただきました。
臨場感のある映画の場面場面となっていますが、映画をまだ見ていない方もおられるので、下段の一節だけにして、ここでの詳細の掲載は行いません。自主上映が各地でなされているので、ぜひ映画をご覧ください。

http://www.heartofmiracle.net/hotnews/hotnews0012013.html

10年間つくりあげてきたものは、人であり、家族である。家族として支えていく。終わりは次のはじまりである。一人一人大事にしたい。大事にされた分だけ人を大事にできるから。更にこの輪は広がっていく。家族は大切でいいもの。声に出して感謝を伝える。そして、36年間育ててくれたホテルに感謝。

【柴田さんビデオ】13:25〜14:30

今回、柴田さん本人の登壇が叶わなかったため、SOLが、柴田さんがおられる名古屋の志友館まで出向いて直接インタビューした。そのビデオを上映。

映画の中には出てこないエピソード、柴田さんの根底にあるもの、真剣さ、迫力が映画以上に伝わってくる。

映画と同様に食い入るように視聴する参加者。
柴田さんの一言一言を真剣にメモ取る。
参加者から真剣さが伝わってくる。
IMG_2615
インタビューの中から、キーワード・センテンスを拾ってみよう。

日本が何年もかけて、働きにくい環境になってきたのだから、すぐには変えられない。
理論じゃなくて実践で、繰り返し繰り返し、時間をかけてやっていく。
そうすれば、変わる会社が、ひとつが二つになり、三つになり、徐々に増えていく。
それが本当の“よくしよう”という運動というもの。

“「動より生ずる」とにかく動いてみるんだね!”

僕は、アソシアで10年間、毎月労使会議をやった。合計120回も。
組合と私のベクトルが一つになるには、年1回では全然足りない。
僕は、当たり前のことをやってきた。
当たり前をちゃんとやれば、信頼が生まれ、変わっていく。

毎月、従業員の誕生会をやった。
従業員のためにできることはないかと、みんなで考えたとき、誕生日はみんなあるね、だからお誕生会をしようということになった。
ホテルのレストランで一番いい料理をみんなで食べる。

お誕生会を祝う、プレゼントをする、そんなことは大企業でもできる。
全体でできなくても、小さな単位でやればよい。
バラ一本でもいい。

会社は、従業員に“ありがとう”を言うべきである。

“夢ありがとう賞”
上司が、いつも従業員の良いところを見ている証拠である。
たいそうなことではない、ちょっとしたことでいい。
誰にもいいところ、いい行いがあるから、みんながもらえる。

儲かったら、従業員みんなで一緒になって喜ぶ。
アソシアの理念、成果の公正な配分、それをひたすら実行する。
努力すれば、努力した分が返ってくる。
儲かれば、より良いものを買って、みんなにプレゼントする。
どう公正に配分するかは、月1回の労使会議で決める。
だからこそ余計に従業員はもっと頑張ろうと思う。

そうやっていけば、物の豊かさより、心の豊かさが大きくなっていく。

社長がその気になれば、何でもできる。
社長が変われば、従業員も変わる。
だから僕は、全国を飛び回って、多くの社長に会っている。

小さい流れを大きな流れにする。
必ずできると信じる。
そして、そのために必要なことをひたすら追求する。

僕を、全国で読んでくれる。
100回も全国各地で講演し、多くの人に会った。
無名の柴田を呼んでくれる。こんなことは今までにない。
それだけでも意味のあること。

毎年12月末に、“感謝の夕べ”をやる。
従業員の家族を招待し、800人が集まる。
食べて飲んで、そして泊まる。1人2,000円、あとは会社の負担。
お客さんはこの日泊まれない。
「うちは、1年365日ではなく、364日で営業しているだよ。」

客室より、従業員風土をよくすることを優先する。

顧客第一という言葉なんてない。
顧客や誰それを区別してはいけない。三方よしの精神が大切。
そのためには、まずは従業員が幸せになること、そうすればお客さんも幸せになり、世間も幸せになる。

「私は、このホテルで働くのが幸せ、会社にいるときがうれしい、会社は学校」、従業員はそういってくれる。
だから、演劇チーム、演奏チーム、花組(花を飾る)、ピカピカチームなどが、自主的に生まれてくる。

どうしたら自主的になれるか?
それは、私が会社から大事にされていることがわかるから!

いいときに、悪いことをするなよ!
悪いときに、一緒に耐え忍ぼう!

平成12年9月11日東海豪雨で、名古屋駅に帰れなくなった人があふれかえったとき、他のホテルが人を締め出す中、アソシアだけが、その人たちを招き入れた。従業員が、その人たちに出来ることをしようと決めた。
その人たちが翌朝帰って行ったとき、従業員は泣いた。
それは、いい商売ができたんじゃない、“いいことができた”から。

それは、天が我々に問うたことだと思っている。
そして、それが黒字化への転機になった。

“おてんとさまが、いつもちゃんと見ているよ”

今から思えば、「よくできたね、あんなことが!」

【光ちゃんによるワークショップ】14:47〜16:35

ここで、光ちゃん再登壇

・ホテルアソシアの従業員、柴田さんの素晴らしさは何か
・柴田さんの素晴らしさを踏まえて自分が出来ていること、出来ていないことは?
・明日から、自分は何をしていくのか?(これは一番重要!)
上記三点について、参加者ワークシートに記入する。

10分の個人ワークの後、グループに分かれる。
一人5分ずつワークシートに記入したことを話す。
このとき、光ちゃんからのアドバイス: 「主語を自分」を意識して話すように。
一人ずつの話が終わったら、各グループでフリートーク。
各自の話についての質問、共感、想いで会場は満たされる。

サークルになって全体シェアの開始。
参加者が自発的にシェアし、それに対して光ちゃんがフィードバックしていく。
IMG_2884
自分を主語にするとエネルギーが上がるが、他人を主語にするとエネルギーが下がる。
柴田さんのスゴさはお客様の喜びを自分の喜びとしていること。
上司に働きかけをしているか? 働きかけをしてもダメなときは(上司から)信頼されていないということ。
熱烈にアクション(働きかけ)してるの?
上司がいいね!を見つけることを教育する、上司自身が勉強する。
心折れそうなときにコミュニティの存在が大切。
仲間がいるから、がんばれそう。同じ志を持つ人を見つける。
より良くしようと思えば思うほど、反対者が出てくる。
閾値が超えるきっかけはなにか? 今までは興味なかったけどやってみるようになったきっかけは?
高野登さんは、何時間でもリッツカールトンの良さを語ることができる。そのように3時間、会社の自慢話できるか?
上司自身が、会社の自慢話が出来ないと、部下をモチベーションアップできない。
熱く語れば、熱量が伝わってくる。
今の会社で出来ることはやるが、ダメだと思ったら無理してやることはないということも間違いではない。
「(自分の価値観や思いが会社のそれと)違うのではないか?」と思いながら働く、働かれるのは互いに不幸。
本当にどう思っているのか、価値観はどうか?
熱量が高くても相手の価値観を見ていなかったり、相手の視点がなければ、独りよがりになる。

最後に光ちゃんの想いを参加者全員で共有する。
・柴田さんの従業員を幸せにし、モチベーションアップしているものは「(柴田さんの)愛情の深さ」。
・家族のように従業員を愛す。
・日本的経営の本質的なところは大切にしないといけない。
・家族のように思ってくれていることが感じられれば、従業員は踏ん張れる。
・人は愛されると改心できる。
・うまくいっている関係は相手を大切にしている、うまくいってないときはその人に対して愛情がない。
・受け入れて認めて愛して? 感謝しているか?
・今愛せない人を愛せるようになるということは、自分のレベルが上がること。
・「お前達ではない、お前を見ているんだ!」ここに柴田さんの愛がある。

【クロージング】16:35〜17:00

アンケート記入。
最高の居場所の説明。リーダーになりませんかの呼びかけ。
6月、7月ライブの案内。
ファシリ塾と第10期ファシリ塾説明会の案内。
加藤史子さん主宰講座の案内。
参加者のみんなの協力をいただき、無事現状復帰して退出。
10989170_607802379356420_2726370629038143079_n
以下アンケートの中から、シェアのできるものをいくつかご紹介します。

「お前たち」ではなく「お前を大切」にする。
「いいことができた」と従業員が泣いた。→ 神様からのプレゼント、転換点になった。
「仕事は生き方」
自分にできることから実践を始める。「じぶんごと」で。
(あきこ)

「人に大切にされている」ということが、人を動かし成長の活力になるということ。
ぐっと心に刺さる映画でした。会社人生を立ち止まって振り返る、よいきっかけとなりました。
(古賀昌代)

他責化思考は、不幸の無限サイクルをつくってしまうこと。
苦手意識を持っている人は、愛情力を向上する貴重なサンプルだということ。
この見方で、現実に向き合いたいと思います。
(龍田真司)

リーダーシップは人間力だと改めて思いました。人間の人生の苦しさや本当の喜びが、どういうところから来るのか、リーダーはそのことを学ぶ必要があるのだと思いました。
生き方について、さらに自分に問うことを繰り返したいと思います。
(まこどん)

自ら行動(一歩を踏み出す)することが、重要だと感じました。
より積極的に「ありがとう」を伝えていきたいと思います。
大きなパワーを受けることができました。
(吉川英基)

一人一人に愛情を注ぐことで人は育つんだなと感じました。
情熱をもって接することが大切。自分は熱が低くて伝わりにくいので、それに気づけてありがたい。
(カワちゃん)

柴田さんの映画そのものは、もちろんですが、SOLさんが柴田さんのインタビューに挑戦してくださったおかげで、さらに実感できたこと、光ちゃんの進行と最後のお言葉に、本質を見せていただいた思いです。
(ほづみ)

柴田さんの言葉、姿勢に改めて、この人はできると信じて愛情を注いで、はじめてその人の力や良さが引き出せることを、再認識できました。自分の周りの人すべてに、この姿勢で向き合いたいと思います。
(五十嵐陽子)

良いところを見つけてほめることをもっと大げさにやります。
「主語を自分」を貫いていただいて、視点がぶれずに考えられました。できない方向に行かずに良かったです。
(ためちゃん)

直ちに行動につながらない想いも、やがてあとから結果がついてくると信じて続けたい。
(川端健一)

・相手がどんな情愛であっても丸ごと受け止める。
・うまくいかないときは、人を愛する力を引き出すための機会をつくってくれている。
この2点が印象に残りました。
まだまだ愛情は足りませんが、少しずつ意識して行動したいと思います。
(みさえ)

自分の熱量の源について、改めて自分自身に問いかけます。
具体的課題が明確になりましたので、宣言して実践します。
(なお)
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
以上、5月ライブ事務局は、くみ、かんな、あおこ、SOLの4名でお届けしました。